スーパーマルチ乾燥 理論と特徴
抜群の熱効率を生み出すサイクロンフィン。
オカドラの最大の特長は本体中央の下部に取り付け られたサイクロンフィンと呼ばれる羽根にあります。 これが回転することにより、被乾燥物は垂直加熱面 上に掻き上げられると同時に加熱面である壁面に薄 膜状に押しやられます。その際、遠心力の働きによ ってより重いもの、つまり含水率の高いものが優先 的に加熱面に押しやられます。そして加熱されて含 水率の低くなった被乾燥物は蒸発面に移動し、より 一層水分蒸発を推進します。これが随時繰り返され ます。また被乾燥物が薄膜となって加熱面に接触す ることで加熱面と蒸発面が限りなく等しくなるとと もに加熱面との接触速度が速く薄膜境面乱流接触を起こしますので熱効率が従来機の4~6倍と理想的な高さになりました。また、こ のサイクロンフィンは名のごとくスラリー等の流動 物でも掻き上げ、加熱面に薄膜状に接触させること が出来るようになりました。そして超高熱効率に依り、魚・生ゴミ・汚泥の様な生もの(細胞組織を保持する)は瞬時に煮沸現象を起こし、細胞組織を破壊する事が出来、飼料・肥料に使用する事が出来ます。
特 長
廃ガスが出ない
従来乾燥機はキャリアーエアーを導入し、乾燥物 の蒸発水分を移動するため、廃水蒸気を冷却して もキャリアーエアーが廃ガスとなり臭気を含んだ 大量の廃ガスが大気に放出されます。オカドラ乾 燥機はキャリアーエアーを必要としないため、乾 燥物の廃蒸気は冷却されるとほとんどが凝縮水と なり廃ガスを放出しません。
粉塵が出ない
従来乾燥機は大量のキャリアーエアーを導入して乾燥物の蒸発水蒸気を移動させるため、乾燥品の粉塵を巻き込んだ大量の粉塵ガスが発生するので大型の集塵設備を必要とします。また、凝縮された水にも粉塵が混入しているため、汚濁凝縮水が放流されることになります。オカドラ乾燥機はキャリアーエアーを全く必要としないのでほとんど発生しません。そのため集塵機もいらず、凝縮水は透明な水として放流されます。
エネルギーロスが非常に少ない
従来乾燥機は乾燥物の蒸発水分の外部移動に大量のキャリアーエアーを導入します。この時、乾燥機内の大量の保有熱量も同時に外部に放出させるため、乾燥機内の温度を下降させ、乾燥機の乾燥効率を大幅に落とします。
オカドラ乾燥機はキャリアーエアーを必要としないので、キャリアーエアー熱移動による熱量放散等のエネルギーロスが少なく、乾燥機効率を落とすことがありません。
従来乾燥機の4分の1以下にコンバクト化
オカドラ乾燥機は従来乾燥機に比較し4倍以上の早い速度で乾燥物に熱量を与えることができるので、従来乾燥機の4分の1以下の大きさで同等の乾燥能力があります。
超低含水率(10~0.1)迄、均ーに乾燥
乾燥物が薄膜状に加熱面に接触し、一定の遠心力が働いているため、水分の多いものは遠心力により自然に加熱面に押しやられ優先的に加熱されて水分が蒸発し、軽くなった時点で水分の多いものと移動交換されます。これが随時繰り返されるので超低含水率まで均ーに乾燥可能になりました。
理想の蒸発効率は加熱面積と蒸発面積が限りなく等しいものが理想とされます。それに依り加熱と蒸発が同時に起こります。
熱効率が従来乾燥機の4 倍以上
オカドラ乾燥機は被乾燥物が加熱面に10~30 m / s 以上という非常に早い速度で接触するため温度上昇速度が速くなります。しかし、熱移動が早いだけで蒸発速度が遅くては、乾燥物に熱量を保有するだけで乾燥できなくなります。
オカドラ乾燥機は下の図のように乾燥物を薄膜状に加熱面に接触させますので、乾燥物の蒸発面積が加熱面積と同等もしくは少し広くなります。加熱と同時に蒸発するので、与えられた熱量は同時に蒸発放散され、熱移動速度と熱蒸発放散速度のバランスが取れ、非常に乾燥効率が良くなります。
従来乾燥機は加熱と蒸発に時間差があり、乾燥物に保有された熱量が平均に同時蒸発放散されていないので、乾燥効率が非常に悪くなります。
従来の横型乾燥機は、被乾燥物が本体の約半分充満しており、横型パドルドライヤーや横型ディスクドライヤーは、充満している部分に於いては水分蒸発が全く出来ず、被乾燥物を加熱撹拌しているのみである。
横型パドルドライヤーでは、蒸発放散しているのは掻き羽根で掻き上げた被乾燥物のみで、他には加熱撹拌している非常に少ない表面積の部分だけで蒸発している事になる。
横型ディスクドライヤーでは、加熱面積が大きいので加熱力は有るが、被乾燥物の表面積当たりの蒸発量は非常に少なく、パドルドライヤーの様な撹拌放散量も少ない。しかしパドルドライヤーの場合は加熱面積が少ない為、いくら撹拌による放散が良くても乾燥効率は悪くなる。
そして、横型乾燥機の最大の欠点は、加熱と蒸発に時間差がある為、乾燥効率が非常に悪いという事である。
異物の選別· 仕分けが不要
内部構造は非常にシンプルであると同時に、羽根と加熱面の間は異物がかみ込まないように特殊設計が施されていますから、異物やビニール、トレイ等が生ゴミに混入していてもオカドラ乾燥機が簡単に停止することはありません。
(但し、大量の異物の投入は要注意)
増設が容易
タテ型で遠心力による加熱面接触加熱の特性を生かしているので、増設時の原料の乾燥機間の移動が容易にできるため、工場の生産量に合わせて1 本づつの増設が可能です。初期から数年後の工場生産量を見越しての設備をする必要はありません。
必要とする含水率の製品が取り出せる
連続バッチ方式なので1 回の投入量が少量で、しかも乾燥時間が20 ~ 60 分間に設定できますから、乾燥時間を短くしたり長くしたりすることにより、必要とする含水率の製品が自動的に取り出せます。
乾燥品は高品質
従来乾燥機は乾燥の単位処理時間の3 倍の滞留時間を要するため、どうしても品質の低下を起こしてしまいます。オカドラ乾燥機はタテ型の遠心力による薄膜接触方式なので、加熱面の接触速度が早く短時間で均ーに乾燥できるので、変質やムラがない高品質の乾燥品ができます。
食品、飼料等の乾燥製品の高い歩留まり
廃ガスがほとんどでないため、廃ガスと同伴する粉塵が発生しないので、乾燥製品の歩留まりが非常に高くなります。
設備費が安価
従来乾燥機の4 分の1 以下の大きさでしかもタテ型なので、本体設備はもとより、これに附属するポイラー設備、電気設備、基礎工事、建家工事及び敷地使用面積が大幅に減り、全体的に設備費が低減できます。
設置場所を選ばない
構造がシンプルで全体重量が少ないため、ビルの屋上や屋内にも容易に設置できます。また、タテ型であるため機器と機器の間、建屋とフェンスの間等、従来の常識ではほとんど考えられなかった場所にも設置可能になりました。
保守管理が非常に容易
本体は回転部が上下のベアリング( 市販品) とギャードモーター(世界的メーカー) のみであるなど、構造がシンプルであるため、本体の故障率は極端に低く、保守点検も1~2 日に1 回程度でO Kです。
運転操作が容易で無人運転も可能
オカドラ乾燥機の基本乾燥工程は原料供給、蒸気の間接加熱、乾燥品の排出のみで、運転操作は素人でも簡単にできます。また、単純運転工程であるため、無人自動運転が可能です。
1 基のオカドラ乾燥機で液状、固形を問わずすべての乾燥物に対応
オカドラ乾燥機はタテ型薄膜遠心加熱方式を採用しているので、回転速度の変化、遠心力の変化等で液状から固形の乾燥物すべてに対応できます。操作はボタン操作のみで簡単に液状から固形へと移行運転ができます。