応用編・その他のプラント
炭化・溶融・ガス化発電システム
木質系だけでなく、生ゴミ等の都市ゴミ系バイオマスも 同時に利川できる、画期的な発電システム。
日本では、バイオマスエネルギーの利用普及に向け、バイオマス・ニッポン総合戦略を定め、本格展開していますが、中でも廃棄物系バイオマス発電には、エネルギー政策、環境対策の面から一層の普及拡大に大きな期待が寄せられています。しかし、木質系バイオマスは収集・輸送コストが高く、経済的に大規模に集約できないことや、中小規模では発電効果が高められないことなどが、バイオマス発電普及の阻害要因になっています。
(財) 電力中央研究所と(株) オカドラが開発中の「炭化・溶融・ガス化発電システム」は、木質系だけでなく、自冶体毎に豊富に存在する生ゴミ等の都市ゴミ系バイオマスも同時に利用でき、中小規模でも高い発電効率が得られる画期的な発電システムです。
化石燃料をほとんど使用しない未来咽発屯システム。
廃棄物燃料は、まずカーボナイザーに供給され、ここで化石燃料などの補助燃料をほとんど使用せずにシステム内の排熱を利用して高効率で炭化されます。この時得られる炭化物はガス化炉で燃焼・ガス化され、発生した1 , 1 00度以上の高温ガスで炭化時に発生した熱分解ガス中のタール分を分解するとともにガス改質を行います。
その後、改質ガスは冷却され、ガス精製装置で煤塵等が除去された後、ガスエンジンやディーゼルエンジン等で発電が行われます。発電装置からの600度の排ガスはカーボナイザーの熱源として有効利用されます。
特 徴
1.都市ゴミ、廃タイヤ、シュレッダーダスト、廃プラ建廃等、種類の異なるバイオマスの混合利用が可能です。
2 . ダイオキシンの発生が無く、炭化時に発生する熱分解ガスに含まれるタールを分解し、さらに灰分を溶融し、
無害化する、環境にやさしいシステムです。
3 . 発電装置からの排ガスをカーボナイザーの熱源として有効利用するため、化石燃料などの補助燃料を
ほとんど使用しません。
炭化・溶融・ガス化の原理
ガス化炉は、ガス化燃焼部とガス改質部の2 段に分割されています。下段のガス化燃焼部へは炭化物とガス化剤の空気が供給されます。この時、主な化学反応としては炭素と酸素の完全燃焼反応および部分燃焼反応、炭素と二酸化炭素及び水蒸気とのガス化反応が発生します。
燃焼反応は発熱反応であり、ガス化反応は吸熱反応ですが、炭素と空気の供給配分を制御しながら1,100℃以上の高温ガスを発生させます。
また、燃料中の灰分は、その高温で溶融されるため、無害で滅容化されたガラス状固化体として排出されます。
ガス化燃焼部で発生した高温ガスは上部のガス改質部へ送られ、炭化時に派生した熱分解ガスと混合されます。熱分解ガスは、一酸化炭素、水素、メタン、水蒸気、タール分および一部ダイオキシンの前駆物質などが含まれますが、1,100℃以上の高温ガスとの接触により、タール分は分解され、ダイオキシンの発生もなく、1,000℃kcal /Nm3 以上の燃料ガスが得られます。
廃油精製リサイクルプラント
廃油、オイルスラッジを精製して再資源化。
原油、タンクのオイルスラッジ、廃油等をカーボナイザーで炭化し、その際発生する気化ガスを沸点別に蒸留することで、重質油、中質油、軽質油等に精製します。スラッジはすべて炭化されて油分が1000ppm以下となり、サラサラな状態で排出されます。
活性汚泥•乾燥燃料化プラント
廃油、活性汚泥をダイオキシンの発生しない 補助燃料としてリサイクル。
使用済みの劣化したてんぷら油等の廃油を活性汚泥に添加して乾燥することにより、焼却炉、火力発電所で使用できる、ダイオキシン発生の心配のない補助燃料としてリサイクルできます。
脱塩乾燥
ゴミ焼却設備での洗煙行程で出る排水や焼却灰最終処分場から出る浸出水には、高濃度の塩分が含まれています。これまで、この塩廃水を処理するためには、広大な設備用地と高額な処理装置が必要とされていました。オカドラサイクロンドライヤーは、高効率、超コンパクト設計により、塩水の脱塩処理の大幅な省スペースと超低ランニングコストを実現した画期的な乾燥機です。
ダイレクト塩水処理
塩水の塩分濃度の高低にかかわらず、サイクロンドライヤーにダイレクトに投入して脱塩乾燥を行います。塩分を取り除かれた塩水は、水蒸気として直接放出が可能です。
廃水の出ない浸出水処理
焼却灰最終処分場から出る浸出水(含塩水)をダイレクトにサイクロンドライヤーに投入します。ここで乾燥された固形分と廃蒸気に分かれ、廃蒸気はさらにテイネンピ脱臭装置に送られ、直火式燃焼法により、臭気成分とB O D 、C O D 成分を完全酸化分解され、クリーンな水蒸気として放出されます。
サイクロンドライヤー汎用機
高性能、低価格、設置場所にフレキシブルに対応。
「ボイル乾燥汎用機」はバッチ投入式手動排出型・自動排出型、直接投入式自動連続運転型、リフト投入式自動連続運転型の4タイプがあり、1 日当たり1 00kg 処理用から2t 処理用まで5 サイズ1 0 機種をそろえました。
値接投入式とリフト投入式は原料投入口と乾燥品排出口がそれぞれ2方向から選べるなど、設猶場所にフレキシブルに対応できるように考慮しています。
カーボナイザー汎用機
汎用化により、導入可能な低価格を実現した超高速炭化機。
「カーボナイザー汎用機」は、焼却炉の使用禁止により廃棄物の処理に苦慮されているユーザー様に、導入可能な低価格でダイオキシン発生の心配のない炭化機を御提供したいとの願いから生まれたものです。
バッチ型、バッチ型(炭化品冷却機付) 、自動連続運転型の3タイプにそれぞれ3サイズを揃えました。